広島の美容室としてメニューに関するご説明や髪に関する知識を公開

美容師にとって一番必要な技術はなんでしょう？これはお客様が感じる「良い美容師」の条件にもなると思います。

美容師は美容院に就職したその日からスタイリストになるために、夜ひたすら練習するのはカットやカラーなどの技術なんです。シャンプーから始まり、カラーの塗布、パーマのワインディング、ブロー、セット、カット、毛髪科学、メイクや着付けもあったりします。ひたすら技術や知識を反復練習し、スタイリストになった後もずっと練習です。

なので技術に自身のある美容師は非常にたくさんいらっしゃいます。それだけの時間とお金をかけてきているので当然なのですが、僕は美容師に一番必要な技術はそこじゃないと思っています。

美容師に一番必要な能力

美容師に一番必要な技術はコミュニケーション能力です。

美容師なので髪を切ったり染めたりするのが仕事だと思いがちですが、それはやって当たり前の作業で、ぶっちゃけ長く美容師をしていれば誰でもそれなりにカットやカラーの技術は出来るようになります。ここに特別なセンスや器用さはあまり関係ありません。関係があるとしたら若手の時だけでしょう。10年以上美容師をやっていると自然とセンスは磨かれるし、元から器用ではなくとも出来るようになるものです。なので技術はあって当たり前になっていないといけないことでもあります。

一方でコミュニケーション能力は、目に見えるものではないため身につけることが難しい能力です。加えて、美容室ではコミュニケーション能力を学ぶ、もしくは伸ばすためのカリキュラムがないところも多いです。今まで数店舗の美容室で働いた経験がありますが、コミュニケーションのためのカリキュラムがあった職場は一つだけでした。

なぜコミュニケーション能力なのか

どんな髪質でも薬剤などの限界を超えたオーダーでない限りは対応することが出来るけど、すべてのお客様にリピートしてもらうとはできません。

どんなヘアスタイルでも作ることは出来るけど、お客様の望んでいるヘアスタイルを聞き出すのはまずカウンセリングです。

3週間に1回染めに来る人の目的は染めることですが、望んでいることは美容師との会話だったりします。

極端な例えになりますが、望んだヘアスタイルになったけど腹の立つ美容師と、ヘアスタイルはそこそこだがすごく楽しかった美容師、とではどちらがまた行きたいと思うでしょうか。

カウンセリングがうまくないとその日の髪型は作れないし、カウンセリングの時よりカラーの待ち時間などのほうが本音が聞けたりするし、お客様がその日求めていることを聞き出したり察することが出来ないといけない。

ヘアスタイルの良し悪しは究極のところ、美容師との会話に左右されることが多いと思う。技術は蔑ろにしていいものではありませんが、技術に拘るにはその技術が美容師の自己満足になってしまわないように、お客様とコミュニケーションをとらないと伝わらないので、やはりコミュニケーション能力が大事になってきます。お客様に伝わらない技術やサービスはただの自己満足になってしまうので。

美容師は髪を通して心を満たす

美容院で起こるアクションの前後には必ずコミュニケーションがあります。

しっかりヒヤリングして希望のヘアスタイルを作らないといけない、敢えて会話をせずリラックスさせないといけないかもしれない、提案してより良い結果に繋げないといけない、サービスを伝えて充実感を得てもらわないといけない、などなど。

技術を駆使するためにも、お客様に満足してもらうためにも、言葉を尽くして聞くことと伝えることが最も重要です。なのでコミュニケーション能力は優先的に伸ばす必要がある技術だと思います。

しかし美容室でコミュニケーションのためのカリキュラムを組んでいるお店は少ないため、美容師は自身で勉強する必要があります。

お客様として良い美容師を選ぶ一つの基準として、コミュニケーション能力に注目して観察すると、自分と相性の良い美容師が見つかりやすくなるかもしれません。